今回は中小企業診断士とMBAを取得し、物流業界のスペシャリストとして活躍している方に記事を書いていただきました。
併せてMBAを取得したいと考えている方や、物流業界で働いている方にオススメの記事です。
ここからは執筆して頂いた内容になります。
中小企業診断士を目指したキッカケ
もともとビジネス理論や経営学全般に対し興味をもっており、中小企業診断士という資格についても知っていました。
大学卒業後、物流企業において社会人を4年経験した後、自分の知識や思考能力をさらに高めたいと思い、
会社を退職し、国内の全日制の社会人大学院(MBA)に入学しました。
MBA入学後、最初の半年は経営理論や経済学、財務会計等、一連の基礎的なビジネスに関する座学が多かったのですが、
ポイント
中小企業診断士の一次試験はMBAが重複する内容が多いことに気付いた
ため、
少し負荷は大きくなりますが、MBAの課題(宿題)取り組みと並行して、中小企業診断士試験の勉強も行いました。
中小企業診断士の資格取得については、MBA卒業後、自らの知識に関する公的な裏付けに関し、
MBA(経営学修士)に加えてさらに補強できるものがあればという思いがあったことと、
もともと試験にチャレンジすることについては好きであったため苦にはなりませんでした。
ただ、一次試験の中小企業政策や経営法務、情報システムについてはMBAにおいては科目として存在していない、
もしくは履修していなかったため、まったくのイチからの勉強となり、
MBAの課題処理との両立について非常に苦労したのを覚えています。
MBAと中小企業診断士を取得して変化したこと
取得して最も大きく変わった点は、
ポイント
自分の「人脈」が拡がったこと
かと思います。
現在中小企業診断士のグループにいくつか所属していることや、
資格更新に必要な診断実務従事の際、何件かの企業診断に関するプロジェクトに参加させて頂きましたが、
その際に自分の所属する会社のそれとは異なるノウハウ・スキルをお持ちの方とご一緒させて頂くことができ、
重要なポイント
自らの知見や経験の幅を広げるたいへん貴重な機会
となっています。
また、中小企業診断士試験については、1年目で1次試験合格、同年の二次試験は残念ながら合格できませんでした。
しかし、翌年の二次試験で合格することができ、その年にMBAを卒業した後は、
ポイント
以前と同じ物流業界の会社に転職
しました。
その転職の面接の際、その採用試験にあたった先方の人事担当者も偶然にも中小企業診断士資格を保有しており、
私のMBAというバックグラウンドの他、中小企業診断士を保有しているということで、
ポテンシャルに関し評価頂いたと面接後に伺いました。
また同じ資格保有者ということで少なからぬ親近感も私に対し抱かれていたようであり、
結果、運良く採用となり現在もその会社に勤めています。
取得後にどんな仕事をするようになったか
転職後は営業職となり、
自動車業界や医薬品業界、スポーツ業界等、様々な業界のお客様に対し物流提案を行い、
当社サービスの利用拡大を図っています。
物流業界は成熟産業であり、他社との差別化の余地がさほど大きくないのが実情ですが、
そういった中でこそ、中小企業診断士として得た知識については役立てることができていると感じています。
特にスポーツ業界については、我が国において4~5社程度の大企業メーカーの他は、中小企業が多くひしめく業界となっており、
そのようなお客様に対し当社の物流サービス提案を行う際、
中小企業独特の経営課題に関するソリューションも併せてご提案することで、
競合他社との差別化を図り、当社物流サービスのご利用に至ったケースがいくつか存在しています。
また、ある特殊な業界の診断実務に従事させて頂いた際、その業界の取引構造や参入プレーヤー、
業界で求められるノウハウやニーズ等、診断報告書作成にあたりより広く深く診断士仲間と調査・研究を行い、
結果、それがさらに自分の知見を広げることにつながりました。
後日、そこから得られた情報・知見をもとにその業界によりカスタマイズされた物流提案を別の企業に行ったところ、
当社を起用して頂くこととなり、
注意ポイント
自分の営業施策として現在でも非常に大きな役割を果たしています。
年収はどう変わったか
正直年収については、中小企業診断士を保有しているということが、
年収増加に大きく作用しているとは考えにくい状況かと思います。
現在私の所属している企業はいわゆる旧財閥系であり、
歴史が古い会社であるため、年功序列傾向が強い会社となります。
よって業務の成果や保有資格等はほとんど年収には関係しない状況ですが、
管理職登用に際しては、保有資格をひとつの選考基準としているようです。
尚、さほど大きな金額ではないですが、中小企業診断士取得に関し、会社から報奨金の支給があります。
個人的な印象としては、企業内診断士である限り、中小企業診断士資格が年収を増加させることは少ないと感じており、
一般的に会社員の副業は認めていない企業が多いため、休日等で診断士活動を行った場合においても、何かしらのフィーを収受するということは難しい状況にあるかと思います。
どちらかというと診断士として独立し、
コンサルティングの他にセミナーや研修等を効率的に行うことで、
会社員の年収よりも多く稼ぐことができるようになるのではないかと感じています。
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