この記事は
「昇格を伴う人事異動がキッカケで中小企業診断士に【前編】」の続きです。
中小企業診断士を目指すにあたり、非常にためになる経験談なのでぜひご一読ください。
ここからは執筆して頂いた内容になります。
目次
能力を確認する実務補習
中小企業診断士試験に合格後、
「中小企業診断士」を名乗るためには原則として「実務補習」(5日間×3回)を受けなければなりません。
(例外あり。詳細は中小企業診断士協会のHPをご確認ください)
「実務補習」とは、試験合格者5~6名のチームに指導員の先生(独立診断士)がついて、
中小企業経営者へのヒアリング・企業視察を経て経営診断と改善提案を報告書にまとめるという実習です。
これは大変だけど面白かった。
ここでは、
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診断士試験で学習した
各種の診断ツールを実際に「使ってみる」
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という体験ができます。
もちろん、1度や2度の診断でさまざまのツールが使いこなせるようになるはずもなく、
何度も診断に参加し経験を重ねることで知識や診断ツールの引き出しが増えていきます。
ツテを使い参加した実務従事
診断協会で提供している「実務補習」は有料ですが、私はあんまりお金をかけたくなかった。
そこで、5日間実務補習を終えた後、診断士のツテで「実務従事」つまり経営診断を無料で行う機会を紹介してもらい、診断チームに加わりました。
ここでは、実務補習のように「指導員」こそいないものの、
先輩診断士と同じチームに加わることで非常に有意義な時間を過ごせました。
わずか2~3年前に合格した先輩診断士であっても、こんなに実力差があるものなのか!とびっくり。
試験に合格したばかりの私が書く診断レポートと先輩方が書くそれでは、品質が雲泥の差なんです。
そんな先輩方の姿を見て、
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ああ、診断士ってこんなにも
人を成長させることのできる資格なんだ。
本当に取ってよかったなあ
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としみじみ思ったものです。
東京都中小企業診断士協会のベテラン診断士との出会い
中小企業診断士が加入する組織として全国各都道府県に「中小企業診断士協会」があります。
私は東京都中小企業診断士会に入会しました。
協会に入って良かったと思うことは、たくさんのベテラン診断士の方々に出会えたことです。
診断士の集まりにはほかにもいろいろ参加していますが、
自分と年の離れたベテランと知り合う機会を持てたのは協会だけでした。
ベテラン診断士と知り合うことのメリットは、
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自分の数十年後を
具体的にイメージできるようになること
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です。
将来こうなりたい、将来こんな仕事が出来そうだ。ではそのために今これをやっておこう。
という計画を立てられるというのが、良いですね。
ベテランと知り合うことにより、独立診断士がどんな仕事をしているのか、どんなことを考えているのか、ということを知ることが出来ました。
協会にはさまざまの研究会があり、各テーマに応じて診断士としての専門性を深めていくことができます。
どんなテーマについて議論するにも、「診断士」であるという知識の土台が共通しているので話がかみ合うし、
発展的な議論もできて本当に面白いのです。
資格試験受験校との関わり
診断士試験に合格したあとは、受講生としてではなく講座説明会のお手伝いなどを通じて受験校との関わりを続けています。
あらたに診断士資格の取得を志し受験校の門を叩いた人の相談に乗り、
診断士試験へのチャレンジに向けて背中を後押しする役割です。
診断士資格の取得を目指すという、その人にとって人生の大きな転機になるであろうその日に立ち合い、
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「診断士になってどう世界が変わったか」
「診断士がどれほどおもしろいものなのか」
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そんなことを熱く語っています。
私自身も診断士になったことの意義をあらためて見直すきっかけにもなっています。
企業内診断士としての活動
人事異動
中小企業診断士資格の取得前と取得後では、社内で担当する仕事に大きな変化がありました。
診断士になる前には事務系の仕事をしていましたが、
診断士になった年の春の人事異動では経営企画職へ異動になりました。
なぜ異動になったかというと、「資格を取得した」ことそれ自体が異動の理由ではありません。
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資格ではなく「実力をつけた」と会社側に思われた
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ことが異動の理由だったようです。
経営企画部に異動したあと、診断士試験で学習したさまざまの診断ツールを用いて自社の現状分析や改善提案などを行いました。
しかし、最初はなかなか上司・経営層の心をつかむことができませんでした。
そんな試行錯誤を繰り返す中で、はじめて上司・経営層の心にヒットしたのが、
自社の損益計算書から算出した「損益分岐点分析」でした。
「数字で定量的に示すことのできる分析」は、かなりのインパクトがあるようです。
考え方の変化
診断士になって、「見えるもの」も「考えること」も大きく変わりました。
どんな仕事であれ自分の頭の中にあるフレームワークを通じて物事を見るようになりました。
そのため、
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現在置かれている状況を把握・推論し
仮説を立てたうえで改善策を立案出来る
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ようになったのです。
少し言葉を変えて言うと、課題の発見と解決策の提示が出来るようになったのです。
そのため、資格取得前よりもさらにポジティブに物事を捉え、発展的に考えることができるようになりました。
単なる精神論でのポジティブではなく、たいていのことはすぐに改善策が思い浮かぶので、
そもそもネガティブになる理由がないんです。
社内昇格試験
もうひとつ、診断士試験を受けておいて良かったなと思ったことに「社内昇格試験」の受験がありました。
同僚たちは「難しい」「勉強が大変」と口々に言っていますが、
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私にとっては楽勝。
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なぜなら出題範囲が診断士の一次試験と重複しており、
しかも診断士試験より社内試験のほうが易しかったからです。
あの、一次試験に比べたら楽勝!と思って試験に臨めたのは本当に良かったです。
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もしも昇格が一年遅れたら、
生涯賃金はどれほど大きな差が出るでしょうか。
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それを考えたら診断士試験のために受験校に払った受講料など安いものです。
社外での診断士活動
執筆活動
中小企業診断士試験に合格したあと、診断士向けの執筆講座を受講しました。
これは有料の講座なのですが、講座終了後はヒアリングや執筆のスキルが身につき、
しかも執筆案件の仕事もいくつかご紹介をいただいています。
自分の名前と文章が公の出版物に掲載されるというのは嬉しいものです。
また、執筆の内容によっては
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自分の考え・理論を社会にアピールする機会
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になります。
そして、中小企業診断士としての「実績」を作ることにもなります。
経営者様への支援
中小企業診断士になってから、診断士の集まる会だけではなく、
ビジネス関連の勉強会などに積極的に参加するようにしています。
また、経営者・起業家の交流会にも参加しています。
そこではたくさんの中小企業経営者がご自身の事業紹介を行うため、さまざまなビジネスモデルに触れることができます。
診断士試験の学習で多く接するような、古くからある業態ばかりが中小企業ではありません。
ITを利用したこれまでにないビジネスモデルや、美容関連の女性起業家、画期的なサービス、ときには怪しげなサービス、などなど。
そのような中小企業・小規模事業者の経営者様との出会いを通じて、ビジネス支援の機会も生まれています。
終わりに
中小企業診断士は人生の新しい扉を開いてくれました。
私がこのブログを読んでくださっている方にお伝えしたいことは、
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「はやくあなたも中小企業診断士の世界へおいでよ!」
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です。
診断士がほかの士業と違うところは、なんといっても応用が効くこと。
だから、古くさくなることがないし飽きることもない。
どこまでもあなたを高みに登らせてくれる資格なのです。