中小企業診断士を取得するには

中小企業診断士の実務補習の概要

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「中小企業診断士」は近年とても人気の高まっている資格の1つです。

経営コンサルタントに関する唯一の国家資格で、企業経営あたって必要な知識全般を学ぶことができます。

その中小企業診断士になるには、まず毎年8月に実施される1次試験(マークシート方式)に合格しなければなりませんが、

1次試験合格後は大きく分けて2つの方法があります。

まず1つ目は中小企業基盤整備機構や登録養成機関の実施する「養成課程」に通って定められたカリキュラムをこなすことです。

この養成講座をすべて受講すると中小企業診断士として登録することができます。

2次試験を避けられる中小企業診断士養成課程
2次試験が免除される中小企業診断士養成課程とは!?

 

 

もう一つは筆記と口述で行われる2次試験に合格し、

15日以上の実務補習または診断実務に従事することです。

2次試験は、記述式で問題文の事例を基に紙上コンサルティングを行っていく形式となっており、

難易度も非常に高くなっています。

その2次試験に合格すると、15日以上の実務補習または診断実務となり、

実際の企業相手の経営診断を行うこととなります。

このように中小企業診断士として経済産業省に登録するためには、実務補習は欠かせないものです。

今回はこの実務補習について詳しく見てみましょう。

 

「実務補習」とは?

「実務補習」とは、勤務先の業務では経営診断の実務に従事できない企業・部署に勤務している人や学生向けに、

その経験を積む場として実施されるものです。

同じように2次試験合格後に求められる「診断実務」との違いですが、

「診断実務」は勤務先がコンサルティング企業や会計事務所、

税理士事務所のように日常業務として経営診断実務を行っている場合に、

その勤務を実務経験としてカウントしていくものです

2次試験合格の有効期間は3年間ですから、その間に実務補習を15日分受けなければならないということになります。

2次試験(口述)の合格発表は例年12月後半にあります。

実務補習は、その後2月~3月と7月~8月にかけて実施されます。

 

1企業に対する実務補習は5日間が1セットになります。

2月~3月と7月~8月のそれぞれで15日分(3企業分)の実務補習が実施されます。

2次試験合格者は、合格発表直後から実務補習の申し込みができますが、実務補習への参加の仕方は人それぞれです。

2月~3月と7月~8月のどちらかに実施される15日コースに参加して、

さっさと実務補習を終わらせてしまう人もいれば、5日間コースにコツコツと参加する人もいます。

ちなみに私は後者でした。

実務補習が実施されるのは、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡という大都市圏のみです。

そのため、地方都市から参加する場合には、実施される都市への移動や宿泊も必要となるため、早めの準備が必要となります。

 

「実務補習」では何をする?

実務補習では、5~6人の参加者でチームを組んで実際の企業への経営診断を行います。

チームには、先輩中小企業診断士が指導教官として1人つきます。

診断先の企業は、その指導教官の顧客であったり、知り合いの企業のことが多いようです。

実務補習での成果物は経営診断報告書になります。

そのためのヒアリングと企業への提案作成と、その結果報告を5日間のうちに行います。

1チームは5~6人なので、チーム内での担当分けも決めておく必要があります。

経営診断報告書に記載するのは「経営戦略」「組織人事」「財務」「マーケティング」「IT」「運営管理」等の分野になりますので、各自が担当する分野を持ちます。

企業の経営状況に応じてこれらの分野は変動することがあります。

まず1日目(金曜日)には企業訪問を行い、

事前に準備してきた質問を行って診断先企業の抱える問題点や目指すべき方向性を検討する上で必要な情報を引き出します。

基本的に、診断先の企業についての情報は事前に指導教官から連絡があるので、

その情報に基づいて1日目の訪問時で聞き出す質問内容等を考えておきます。

1日目の残りと2日目を使って、ヒアリング内容の整理と提案の方向性を決めていきます。

3日目は次の週の土曜日に行われるため、各自担当分野の診断報告書作成はそれまでの平日の空き時間を使って行います。

3日目と4日目は各自が作成してきたものを持ち寄り、

全体としての整合性をとるための調整や、各分野での提案内容の調整を行っていきます。

5日目は、企業訪問を行って診断結果の報告会となるため、

4日目のうちに診断報告書の作成まですべて完了させなければなりません。

 

指導教官によっては、診断報告書とは別にプレゼン用資料の作成を求められることもあります。

そのため、3日目4日目は夜遅くまで残って作業することもあります。

5日目は、診断結果の報告会となります。

作成した資料に基づいて、診断先企業の経営者・幹部に対して診断結果や改善提案を説明していきます。

これは実際にやってみて感じて頂きたいのですが、経営者相手の改善提案はやはり手に汗握りますよ。

 

「実務補習」にかかる費用は?

 

実務補修の費用は

 

かんたん説明

15日間コースで14万8600円

5日間コースは初回が5万円

2回目以降が49300円

 

となっています。

これとは別に実務補習期間中の移動にかかる交通費や食事代が必要となります。

地方都市からの参加者の場合は、これらに加えて実務補習開催地までの交通費や宿泊費も必要となります。

診断報告書を印刷する際の用紙代等の負担はありませんが、

診断報告書を製本する場合はその費用を負担する必要があります。

取得するまでに何かとお金がかかる資格ですね。

 

「実務補習」のメリット

実務補習は、中小企業診断士登録の要件として必要となるわけですが、

それ以外についてのメリットを挙げていきます。

 

ポイント

・先輩の中小企業診断士から学ぶことができる

・他の実務補習生とのつながりができる

・ヒアリングや診断報告書作成を通じてビジネススキルが身につく

 

実務補習において最大のメリットは何といっても、先輩診断士から実務の指導を受けられることです。

実務補習の指導教官は、独立コンサルタントとして活躍されている診断士です。

その人たちから1日当たり1万円弱でコンサルティング実務を学ぶことができるのです。

これは他の何事にも代えがたい貴重な体験となりますよ。

 

また、他の実務補習生とのつながりも大きなメリットになります。

実務補習は実務経験の浅い参加者にとっては厳しいものですが、

そこで協力しあった仲間とのつながりは、実務補習が終わった後でも続いていきます。

将来的に独立した場合も仕事や勉強会などで顔を合わせる機会も多く、

業務上有益な情報の交換等も可能になります。

そして、実務補習で行うヒアリングや診断報告書の作成を通じて、ビジネス上のスキルアップも期待できます。

 

実務補習参加者は、普段従事している仕事ではなかなか機会のない、

企業経営に関するヒアリングや文書作成に携わることになります。

また、普段異なる職業についている人たちとコミュニケーションをとりながら、

最終成果物である診断報告書を作成していきます。

その経験を通じて、自分の職場に戻ってからも使えるビジネススキルを身に着けることができるのです。

 

「実務補習」のデメリット

実務補習のデメリットにはどのようなものがあるでしょう。いくつか挙げていきます。

 

注意ポイント

・仕事の調整が必要

・2日目と3日目の間の平日にも作業が必要となる

・地方都市居住者の場合、交通費や宿泊費が必要

 

1日目と5日目は企業訪問を行うため、平日開催になります。

実務補習に参加するためには、有休を取得するなどの調整が必要となります。

また、2日目と3日目の間は、各自担当分野の報告書作成を自宅に持ち帰って行うこととなっています。

大体の参加者は普段自分の所属する会社の仕事があるので、その業務終了後に報告書作成を行います。

これはやはり体力的にも精神的にもキツイものがあります。

 

そして、地方都市居住者の場合、実務補習は東京・大阪・名古屋等の大都市で行われるため移動のための交通費や宿泊費が必要となります。

宿泊先でも戻ってから報告書作成が必要となったりするため、それなりの設備の整ったホテルをとる必要があります。

これらのデメリットもありますが、

それを補って余りあるくらい貴重な体験を積むことができるのが実務補習なのです。



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