資格試験対策の王道と言えば、過去問を使って勉強することです。
もちろん中小企業診断士試験でも同様です。
私は試験直前には過去問しかやっていなかったといっても過言ではありません。
そして実際に中小企業診断士試験に合格し、受験生をアドバイスする立場になってみると、
やはり過去問の活用は重要だなと再度実感しています。
今回は、過去問の活用について考えていきたいと思います。
過去問を活用するメリット
資格試験対策として過去問を活用することのメリットにはどのようなものがあるでしょう。
中小企業診断士試験において過去問を活用することのメリットは次のようなものが挙げられます。
かんたん説明
・出題内容に慣れる
・出題内容の傾向がつかめる
・問題の解き方・考え方を身に着けることができる
中小企業診断士試験の問題の出し方は結構厭らしい感じの出し方をしています。
それは1次試験でも2次試験でも変わりません。
解く問題数が多いほど、出題内容に多く触れることになるので、
ポイント
なるべく多くの問題を解いて出題内容に慣れていくことが大切
です。
また、解く過去問の数が多くなればなるほど、出題されやすい箇所がわかるようになります。
その分野を重点的に勉強しておくと、本試験で出題された時も落ち着いて取り組むことができます。
そして、中小企業診断士試験の1次試験は7科目ということで、幅広く勉強しなければなりません。
その7科目の中でも、科目によっては過去問を解くこと自体にあまり価値を見出しにくいものもあるかと思います。
例えば、「経営情報システム」の場合だとIT分野の技術進歩が進めば進むほど、
出題された時期では有効だった問題も、過去問として取り組もうとした時期によってはまったく意味をなさないものになっていることもあります。
「中小企業経営・中小企業政策」のように、中小企業白書の内容が取り上げられるような科目も、
過去問を解いてみても「出題されたときはそうだったのかもしれないけど・・・」となる可能性もあります。
では、過去問を解くことに意味がないかというとそうではありません。
ポイント
過去に出題された問題に数多く触れることによって、どうやって問題を解けばよいか・どのように考え方を進めればよいかを身に着けることができます。
資格試験によっては、過去問がそっくりそのまま本試験でも出てくるというものもありますが、
中小企業診断士試験はそうではありません。
「類似」の問題が出ることはあっても、そっくりそのまま同じ問題は出てきません。
ということは、過去問を多く解くことによって、
問題の解き方・考え方を身に着けておかなければ、本試験の時に対応できなくなってしまうのです。
また、2次試験に関しては論述式の試験になります。
2次試験は「組織・人事」「販売・マーケティング」「運営管理」「財務」の4科目について、
設問に出てくる事例企業に対する紙上コンサルティングとなっています。
そのため、
かんたん説明
答案用紙1枚の中で事例企業に対する「診断報告書」を作成するイメージです。答案全体で「モレなくダブりなく」「矛盾のない」ものに仕上げなければなりません。
その意味では、「設問文読解」「各設問内容の理解」「事例企業の分析」「全体の組み立て」「答案作成」という各ステップを踏む必要があるのですが、それに慣れる必要があります。
それに慣れるためにうってつけなのが過去問を解くことなのです。
中小企業診断士試験の過去問入手方法
中小企業診断士試験の過去問は、書籍化させているものを入手するのが定番です。
LECやTAC等の大手受験対策校から出ているものがあります。
過去数年分の問題と解説が入っているので、試験対策で過去問勉強をするにはうってつけです。
また、1次試験については中小企業診断士協会のホームページから問題と解答をダウンロードすることもできます。
この場合は解説がないので注意しましょう。
2次試験について、
注意ポイント
中小企業診断士協会は正答を公表していません。
2次試験の過去問については、大手受験対策校から出ているもので解答例と併せて入手するのが良いでしょう。
これらの解答例は、各大手受験対策校で講師を務めている中小企業診断士が例として記載したものになります。
そのため、同じ問題であっても出版元によって異なる解答例が記載されています。
「正答」として受け止めるのではなく、点数の稼げる解答例として受け止めるとよいでしょう。
また、スマフォ端末で学習できる中小企業診断士対策の通信教育で有名な「スタディング(旧 通勤講座)」の過去問対策講座を使い、
通勤時間のようなスキマ時間に過去問を解いていくのもよいでしょう。
1次試験対策としての過去問活用方法
1次試験対策として過去問を活用する時は、前述のメリットのところでも挙げた以下の3点を目的として取り組むとよいでしょう。
ポイント
・出題内容に慣れる
・出題内容の傾向がつかめる
・問題の解き方、考え方を身に着けることができる
中小企業診断士試験では、過去に出題された問題がそっくりそのまま出てくることはありません。
しかし、出題テーマ・出題分野として頻出のものはあります。
出題頻度の高いテーマについて、過去問を通じて問題を多く解いて解法や考え方を身に着けておくと、本番の時に慌てずに取り組むことができます。
また、科目ごとの試験時間内に問題を解くことができるよう、
時間を図りながら解くのもよい練習になるでしょう。
特に苦手科目は問題を解くのに時間がかかってしまうことが想定されます。
時間を意識して過去問を解くことによって、時間感覚を養っておきましょう。
2次試験対策としての過去問活用方法
2次試験は、設問に出てくる企業に対する紙上コンサルティングを論述形式で解答していくものです。
当然出てくる事例も出題内容も全く同じものが出てくることはありません。
そのため、過去問に取り組むことはあまり意味がないように思われるかもしれません。
しかし、
重要なポイント
過去問を使った試験対策は1次試験対策の場面より2次試験対策の方が効果的
です。
2次試験の論述では、「○○についてXXX字以内で記載せよ」のような形での出題が多くなります。
普段、企業で仕事をしているような人の場合、そのような制約のもとで文章を記述することはおそらくほとんどないでしょう。
そのため、作文用紙のように文字数がわかりやすいものを用意しておき、
過去問集に記載されている解答例を作文用紙に書き写すことによって、
どの程度書けばよいかという感覚を養うことができます。
ポイント
日ごろ長文を書く機会のない人にとっては、とても有効な試験対策となりますし、書き写すことによって、自分の文章を書くスピードも把握できます。
2次試験トータルで書く文量は相当な量になります。
書くスピードを把握しておくことで、試験時間の使い方の構成を考える材料になります。
2次試験は設問内容を読むこと、事例企業の分析、設問に対する解答の準備、解答の作成という手順が必要になります。
解答を書くのに必要な時間が決まれば、それまでの時間の使い方も大体決まってきます。
過去問は解くだけでなく、試験時間の使い方を検討していくためにも有効活用できます。
試験時間の使い方も事前に準備しておき、本番の時に慌てないようにしましょう。
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